皆さんは空の世界にもF1みたいなレースがあるのをご存じでしょうか?
2015年から5年連続で千葉で開催されていることや、
室谷選手が、2016年に千葉で日本人としてはじめて初優勝をし、
2017年で年間総合優勝をしたことで、グッと知名度があがりました。
その室谷選手に会った事があります。
私は、トヨタ自動車の期間工時代、
入社から1年ほどプリウスPHVのバックドアインナー生産工程にいました。
このバックドアインナーは、1枚のCFRPというカーボンの樹脂を基材として
1枚の海苔の佃煮みたいなペラペラなシートを切って型にセットして
プレスして余分なところを研磨してバラバラな部品を接着するのですが、
僕はこの中の検査工程にほとんどいました。
バックドアインナーの接着後、接着剤がバッチリ付いているか検査するために、
水とエアーを吹いて水漏れしないか見ています。
大雨を想定した検査で、長い間車が雨に打たれても、車内に水が入らないのは、
この検査をして、悪いモノは撥ねているからなんです。
私の職場は、カーボンを量産化する国内でとても珍しい所だったので、
色々なお客さんがいらっしゃって、見学されました。
元々、レクサスのスーパーカーであるLFAを作っていた建屋だったので、カーボンの最先端に触れていました。
エアーレースに使われる飛行機のプロペラあたりの先端の部分がカーボンで作られていて、
上司が手作りで加工していました。
そのご縁があって、室谷選手も見学に来ていただき、
僕の検査をしている工程の前で、じっと眺められていました。
水とエアーを扱うので、少し派手な検査なので、多くの人の目を引きます。
「こんにちは!」とあいさつすると、「こんにちは。ご苦労様です。大変ですね。」
とねぎらいのお言葉をかけていただきました。ありがとうございます。
室谷選手は今年の6月に、Fly for all ♯大空を見上げよう として、
コロナウイルスで下を向きがちな世の中ですが、少しでも多くの人を励ましたいという事で、
福島県で大空を見上げたくなるイベントが行われました。
粋なひとだなぁ。